国民年金の保険料を払うのは賢くない行為?

「年金制度なんて近い将来行き詰まるんだから、年金の保険料を払うなんて馬鹿なことはしない」

最近、こんな事を言う人を時々見かけます。多分、どこかのテレビか何かで、自称専門家の発言でも聞いたのでしょう。

マスコミとしては現行制度が駄目なことにしないと商売になりません。ですから、実態以上に問題を大きく見せたがる傾向があります。そういう情報を真に受けると、上のような発言につながってくるわけです。

さて、実際のところはどうなのでしょうか。国民年金の保険料なんて払わない方が良いのでしょうか?

年金の保険料は払ったほうが良い

国民年金の保険料は、絶対に払っておくべきでしょう。経済的に困っていてどうしても払えないと言う人は、免除手続きをするべきです。

これは「制度上支払わないといけないから支払うべき」という道義的な話で言っているのではありません。損得で考えても、3つの理由から国民年金の保険料は支払うべきなのです。

破綻はしない

別のページでも書いていますが、国民年金の制度は破綻しません。

給付を減らすか受給開始年齢を上げるだけで、制度を存続させる事はできるからです。ですから、破綻することを前提にした議論は、そもそも間違っているのです。

国民年金には生命保険の生命保険(死亡保険)と障害年金の機能がある

なぜかあまり知られていませんが、国民年金には老齢年金以外にも重要な機能があります。

一つは遺族年金と呼ばれているものです。国民年金の被保険者が亡くなった場合に、その遺族に年金が支払われます。これは要するに、生命保険の死亡保険の機能ですよね。そして、国民年金の保険料をちゃんと払っていないと、この遺族年金を受けとることができません。

つまり、国民年金の保険料を払うと言うのは、生命保険に入っているのと同じことなのです。しかも生命保険会社の死亡保険よりもずっと有利な制度です。なぜかと言うと、生命保険会社の場合はかなり高い手数料を取られているからです。国民年金と同水準の保障を得ようと思ったら、かなりの保険料を払わないといけません。

もう一つの重要な機能は、障害年金の機能です。一定の水準以上の障害をおった場合に年金が貰えるわけです。保険料を払わないと、この機能も手放すことになってしまいます。

月に1万5000円ちょっとの保険料で、老後の準備に加えこれだけの機能が付いているのです。保険料を払わないのはかなりもったいないことのように思えませんか?

国民年金をもらうと言うのは税金を取り返しているのと同じ

これもあまり知らない人が多いようですが、国民年金の給付の半分は、国庫の負担です。国庫の負担と言うのは、要するに、税金のことですね。つまり、国民年金から給付があるということは、税金を取り返しているのと同じことなのです。

国民年金の保険料を払わない期間があると、年金の受給額が減らされます。最悪の場合、まったく年金が貰えない可能性もあります。これは税金を取り返すチャンスを自ら放棄しているのと同じことです。あまり賢い行動とは言えませんよね。

悪い噂にだまされないで保険料は払いましょう

国民年金の制度に問題があるのは、私自身も完全に同意します。しかし、保険料を払わないほうが有利というのは、誤った考え方と言えるでしょう。道徳的な理由ではなく、損得で考えても、保険料は払うべきです。

ただ、不安を必要以上に煽るマスコミの影響だと思われますが、年金制度は完全に崩壊していると思っている人もいます。中途半端な知識の人が広める悪い噂にだまされないようにするのが肝心でしょう。

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