最近、老後資金の準備に投資信託を利用しようという動きが広がっています。動きが広がっていると言うか、金融機関が投資信託を買わせるために、そういうキャンペーンを打っているという方が正確でしょう。
問題は、本当に投資信託が老後資金の準備に向いた商品かという点です。この点に関して、他の商品と比較して検討してみましょう。
確定拠出年金には負ける
まず、老後準備のための商品としての優秀さで言うと、投資信託は確定拠出年金に完敗だといって良いでしょう。投資信託の積立と確定拠出年金は、基本的には同じような金融商品です。しかし、確定拠出年金には節税できると言う大きなメリットがあるのです。
積み立てる額や所得の大きさにもよりますが、年間で数万円の節税効果があると考えられます。所得税と住民税が安くなるのです。また、確定拠出年金には、これ以外にも節税効果があります。
はっきり言って、この差はいかんともし難いと言えそうです。
個人年金保険(定額型)よりはおすすめできる
個人年金保険(定額型)と比べた場合は、個人的には投資信託の方が良いのでは無いかと思います。まあ、年齢などによっては、個人年金保険の方がおすすめできる場合もありますけどね。
特に若い人は投資信託を積極的に選ぶべきでしょう。若い人と言うのは、年金を受け取るまでに10年以上ある人というイメージです。ですからこの場合は、54歳でも若い人だと思ってください。それ以降の50歳代後半の人は、個人年金保険を検討しても良いかなあという程度です。
なぜ定額型の個人年金保険が駄目かと言うと、インフレに弱いのです。将来的にインフレになったときに、老後の生活設計がすべて狂ってしまう可能性があります。それを防ぐために、若いうちはインフレにもある程度対応できる投資信託の方が良いわけです。
個人向け国債、国債と比べてどうだろう?
個人向け国債を含む国債と比べる場合は、ちょっと複雑です。その人の資産運用に対する考え方や、おかれている状況によって結論は変わってくるかもしれません。
まず、国債で運用をするなら、選ぶべきなのは10年変動個人向け国債と物価連動国債でしょう。老後の資金対策なら、ある程度満期までの期間が長い国債を使うべきです。そうすると、10年以上の国債を選ぶことになります。ただ期間の長い国債を選ぶと、インフレや金利変動に弱くなります。これにある程度対応できるのが、10年変動個人向け国債と物価連動国債なのです。
元本割れが死んでも嫌だというようなタイプの人なら、ここで紹介した10年変動個人向け国債か物価連動国債で運用すると良いでしょう。多少リスクをとっても増やしたいと言う希望があるのなら、投資信託を使うのが良いのでは無いかと思います。
まあ、好みの問題でしょうか。
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