従業員持株会はやめておいた方が良いかも

■ 従業員持株会はどうだろう?

自分が勤める会社の株を毎月一定額分購入できる「従業員持株会」という仕組みがあります。ご存知の方も多いでしょう。

毎月一万円なら一万円と決めておくと、給料から天引きされ自動的に自社の株式を購入してくれるのです。毎月の積立金に対して、会社から奨励金が支給される場合などもあり、一見お得な制度のようにも見えます。

自動的に投資が出来るという意味でも、手軽な制度ともいえそうです。

ただ、自社株とは言え株式を購入するわけですから、当然ですが株価下落のリスクなどもあります。要するに、普通に株式投資をするのと同様のリスクがあるわけです。

さて、この従業員持株会という制度は、積極的に利用するべきなのでしょうか?

結論から書くと、この従業員持株会の制度は、個人的にはあまりお薦めできません。その理由について、具体的な例で説明したいと思います。

会社が倒産した場合

あなたが勤めている会社に従業員持株会があり、あなたは持株会を通して自社に月に2万円投資していたとします。しかし残念なことに、勤め始めてから20年たったある日、会社が突然倒産してしまったとしましょう。

毎月2万円20年にわたって投資してきたのですから、ここまでに480万円投資しているはずです。それなのに会社が倒産すると、この480万円の殆どが返ってきません。

あなたは失業する上に、投資してきた480万円まで失ってしまうのです。仮に、毎月2万円を違う会社に投資したり、銀行預金で積み立てていたらこんなことにはなっていませんよね。

実際こんなことは起こりえますし、似たようなケースも過去に例があります。

会社の業績が悪化した場合

上の例と同じ条件で投資したと考えて見ましょう。つまり、あなたは持株会を通して自社に月に2万円投資していたとします。

さて、今度は会社の業績が突然大幅に悪化したとします。会社の業績が悪くなれば、従業員にもしわ寄せがいきます。給料が下がる確率も大きいでしょう。あるいは、ボーナスが出なくなるかもしれません。

このとき、あなたの会社の株価はどうなっているでしょう。通常、株価は業績を反映します。合理的に考えれば、あなたの会社の株価も大きく下がっているはずです。

給与が減って、持株の価値も下がるのです。倒産した場合ほどではありませんが、大きな痛手ですよね。

従業員持株会はやめておいた方が良いかも

上の二つの例からもわかるように、あなたの会社の株を持っていることで二重のダメージを負うことになってしまいます。給与のマイナスと、株式の価値のマイナスです。

しかし、月々購入する金融商品が自社株以外のものならこんなことにはなりませんよね。給料が下がったり失業してしまったりして経済的に苦しくなっても、違う金融資産が残るのです。

この例を見て、「ウチの会社は堅実に経営しているから大丈夫」と考える人もいらっしゃるかもしれません。しかし、従業員持株会の場合はかなりの長期にわたってあなたの会社の株を持つことになります。

現在の業績がよくても20年30年先はなかなか見通せません。つまり、どんな優良企業に勤めている人にも上記のような懸念はあるのだと考えた方が良いと思います。

わかりやすいのが東日本大震災の時の東電の例でしょう。超がつくほどの優良企業と見られていた東電でも、一回の自然災害で倒産寸前まで行きました。

結局政府の方針で倒産は免れましたが、株価は大きく下げていいます。従業員持株会に入っていた人は少なからず損をしているはずです。

参考:ドルコスト平均法

このページでは持株会の悪い点を強く強調しました。しかし、月々一定額を投資するという方法は、悪い方法ではありません。

従業員持株会のように毎月同じ金額を投資していく投資手法を「ドル・コスト平均法」といいます。1 この方法は株式に毎月定額投資する「るいとう」や投資信託の積み立てを使えば、個人の投資家でも行うことが可能です。


  1. ドル・コスト平均法は理論上特に有利ではないという批判もあります []

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