老後の問題を考えるときに、先ず気になるのが、「年金はいくらもらえるのだろう?」という点です。
テレビなどでは年金問題はかなり大げさに伝えています。
そういうのを見ると、いくらもらえるのか不安になる人も多いでしょう。
「年金はまったくもらえない」と思い込んでいる人も少なくないようです。
実際問題としては、年金がまったくもらえなくなる可能性は高くありません。
正直に言って、テレビなどでの取り上げ方は、いたずらに不安を煽っているだけにしか見えません。
しかしながら、年金だけで十分な生活が出来るかというと、それも不可能です。
現在の仕組みを維持するのなら、年金の受給金額を減らすとか、年金を受取る年齢を上げるといった事は避けられません。
まあ、「ある程度の部分はまかなえるけど、それだけじゃ足りないよ」というのが正解に近いところでしょう。
どの程度まで減るのかはなかなか難しい
さて、もらえる年金が将来減っていくのは分かりました。
次に気になるのは、どの程度の水準まで受給額が減るのかという点でしょう。
正直に言って、この点に関しては、とても難しい問題のようです。
専門家と呼ばれる人たちも、将来の年金額についてはよく分かっていないようです。
特に、20代30代の若い人たちについては、そのときになってみないと何とも言えないという感じのようです。
なぜ予想が難しいかというと、数十年先の経済や社会の状況を予想するのが難しいためです。
ですから、想定によって、予想に大きなばらつきがでてしまいます。
数十年先なんて、そんな先のことまでは分からないという事なのですね。
もっともこれは、感覚的にも理解しやすいでしょう。
例えば、現在35歳の人が年金を貰い始めるのは、現行制度のままいけば30年後の65歳からです。
そのころの日本経済を正確に予想しようと思っても、無理な相談です。
これは、今から30年前に現在の日本が想像できなかった事から考えて、とても納得しやすいでしょう。
なにせ、30年前の1980年代の前半と言えば、バブル景気の前でした。
当時、バブル景気が訪れ、日経平均が3万円台になるなんて予想した人は少ないでしょう。
そして、バブル崩壊後に長い期間経済の低迷を招く事も予想できなかったはずです。
と言うわけで、20代30代の人たちがいくら年金をもらえるかなんて、正確に予想しようがないのです。
過去のデータを見るといったん増えてその後減少傾向
正直に言って年金の受給額の予想は難しいのですが、過去にどんな風に推移したのかを知る事はできます。
ちょっと古いデータですが、平成19年までの年金の受給額の平均の推移が紹介されているページがありました。
http://www.mhlw.go.jp/topics/nenkin/zaisei/zaisei/data/data01/kousei/ks-04.html
このデータを見れば分かるように、平成元年には13万8,186円だった受給額はその後増加していきます。
そして、平成11年にピークである17万7,046円をつけます。
その後は徐々に下げ、平成19年には16万絵1,059円まで下がっています。
現在の徐々に受給額が減っていると言う事実、現在の経済状態、少子化の傾向を考えれば、当面は減少傾向は続いていくのはほぼ確実でしょう。
問題なのは、将来いつ、どの程度の水準で下げ止まるのかです。
何らかの理由で経済が好転する可能性がないわけではありません。
それに期待しましょう。
そうならなければ、受給額が徐々に減っていくという流れは、止めようがありません。
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