個人事業主の老後の生活資金について考えてみた

老後資金に関しては、色々心配に感じている人も多いと思います。
その中でも、特に心配する必要があるのは個人事業主の老後資金です。

理由は簡単で、厚生年金に入れない個人事業主は、貰える年金が少ないのです。
ですから、サラリーマン以上に老後の資金に関しては真剣に考えないといけません。

その意味では、フリーターやフリーランスなども似た状況かもしれません。
ここではひとまとめにして、個人事業主と呼びましょう。

さて、現時点でどうしても知りたいのは、引退するまでにどのくらい貯めないといけないかです。
具体的にいくらくらい貯蓄しないといけないのでしょうか?

仮定を置いて考えてみましょう

こういう見積もりをする上で難しいのが、生活水準によって必要になるお金が全然違うという点です。
レベルの高い暮らしをしたければ、当然沢山のお金が必要です。

ちょっと暮らしのレベルを落として良いのなら、目標は大分楽になるでしょう。
どの程度のレベルを想定するかで、計算結果は全く違ってくるはずです。

ですから今回は、「それほど豊かではないけれど、暮らしていけないほど貧しくは無い生活」をするにはという基準で考えてみたいと思います。
細かい事を考え出すとキリが無いので、大体の数字をつかむためにラフに計算してみましょう。

具体的には、次のような想定をします。

・夫婦とも同年齢
・65歳で引退
・夫婦とも85歳まで生きる
・貰える年金は現行水準の年間160万円(二人分)
・生活費は毎月20万円と想定

国民年金の給付は、一人約80万円なので、夫婦で160万円もらえます。
ですから、足りない分を貯金から賄うという考え方です。

さて、この仮定のもと考えると、年間に必要な生活費は240万円ということになります。
そうすると、国民年金との差額である80万円が貯蓄からの持ち出しとして必要になります。

上の仮定では、引退後20年生きると想定しているので、貯蓄として1,600万円は最低でも必要だという計算になります。
最低限度の程度必要か、感覚的にはつかんでいただけたのではないでしょうか。

毎月20万円の生活費は少なすぎる?

上の計算で毎月の生活費は20万円と想定しました。
この額は少なすぎると感じる人もいるかもしれません。

毎月20万円で生活なんて、どんなに酷い暮らしだろうと想像すると、暗い気持ちにもなるでしょう。
でも、現在の物価水準なら、毎月20万円あれば夫婦が生活するのはそれほど難しくありません。

すごい贅沢な暮らしは出来ないでしょうが、どうしようもなく惨めな暮らしということでもないでしょう。

なぜそう考えるのか説明しましょう。

今回生活費として毎月20万円という額を設定しました。
仮にサラリーマンが生活費で20万円稼ごうと思うと、30万円弱の月収が必要です。

つまり、20万円の生活費があるということは、30万円の月収があるサラリーマンと同程度の暮らしができるという事を意味します。
そう考えると、20万円の生活費で暮らせないと考える方がおかしいでしょう。

こんなふうに書くと意外でしょうか?

サラリーマンは給与から年金の保険料やら所得税やらを支払わないといけません。
さらに、現役世帯は生命保険の負担もありますし、世帯によっては自動車保有のコストも馬鹿になりません。

これらの支出は、どれも毎月数万円程度かかるものですよね。
月給30万円程度の人のケースで想定し、合計したら、月に10万円近く行くはずです。

しかも、年齢が上がると必要が無くなる支出でもあります。
ということは、この分だけ、高齢世帯はコストがかからないことになりますね。

こういう事を考えると、月給30万円のサラリーマンが生活費として自由に使えるのは20万円程度だと考えられます。
しかも、老後世帯は子供を養育する必要はありません。

ですから、毎月20万円の生活費は、極端に貧しいわけでも何でもないのです。

もっとも、ボーナスがない分だけ、引退世帯の方が厳しいとは思います。
それでも、苦しくて仕方が無いということは無いはずです。

実際はもっと必要でしょう

ただ上の想定は、正直に言ってかなり甘い部分もあります。
かなり楽観的な想定であると考えられます。

上の計算で想定されていない点で、重要だと考えられる点を二つ説明しましょう。

将来の年金は、多分今よりも減るだろう

先ず一つ目の問題として、貰える年金の額の問題があります。
将来貰える年金が、現行水準の160万円であるという保証はどこにもありません。

そもそも、払い忘れの期間があって、満額の年金がもらえない人も多いでしょう。
それ以上に、少子化の影響で、年金の給付額は減らす方向になるかもしれません。

実は、マクロ経済スライドという、年金の給付を減らす仕組は、法律の中で既に出来ているのです。
あとは、時の政府がその気になれば、年金の給付額を減らすのは簡単なのです。

実際にどの程度減るかは、正直なところなんともいえません。
これを読んでいるあなたの現在の年齢にもよりますし、今後の日本の経済状況にもよりますから。

まあ、若い人ほど不利だと考えて間違いは無いと思います。

ちなみに、巷間言われているような、年金の破綻に関しては心配要りません。
現在の仕組では、絶対に破綻はしないようになっています。

ですから、給付は減るけど破綻はしないという認識を持っておくことが大事でしょう。

物価の上昇が起きても不思議ではない

もう一つ心配な要素は、物価の上昇です。
上の想定では、物価の上昇は全く考慮していません。

確かに過去十年くらいを見れば、物価はほとんど上がっていません。
でも、常識的に考えれば、今後も上がらないなんてことはありませんよね。

数十年という長期間で考えれば、物価は上がっていくと考えるのが自然です。
ですから、現在よりも物価が上がらないという上の前提は、かなり雑であると言えます。

ちょっと極端な例ですが、毎年物価が4%上昇したとしましょう。
そうなると、20年後の物価はどうなるでしょうか?

実は、2倍以上に跳ね上がります。
もしそうなったら、同じ暮らしをするために、毎月40万円必要だということになります。

現在45歳の人なら、引退する65歳の時には生活費は2倍必要になります。
つまり、今回の例だと毎月40万円の生活費が必要です。

そして、上で亡くなる事を想定している85歳の段階では、4倍の生活費が必要になります。
つまり、今回の例だと毎月80万円の生活費が必要です。

ちょっと想像したくない未来ですよね。

まあ、4%で継続的に物価が上がっていく蓋然性が高いとは思いません。
それでも、可能性としてはそういうこともありうるということです。

ただ、物価が上がった場合は、一つだけ良い材料があります。
それは貰える年金が増えるということです。

現在の年金制度は、物価上昇に併せて給付額が増えるようになっています。
ですから、物価上昇も年金給付額の上昇で、ある程度は吸収されます。

余裕を持って2,500万円位を目指してみれば?

ここで、整理をしてみましょう。

ここまで見てきたように、毎月20万円程度の生活費を使うと考えると、貯蓄としては1,600万円程度が必要です。
夫婦で合わせて1,600万円です。

ただ、老後の暮らしは長期間を見通さないといけません。
ですから、かなりの不確定要素も存在します。

これも説明したとおりです。

まあ、正直なところ、予想が出来ないものを心配しすぎても仕方が無いだろうとも思います。
そこで私達としては、1,600万円よりは多少余裕を持った額を目指すといったあたりが妥当なのではないでしょうか。

2,000万円では400万円のバッファしかなく多少心もとないので、2,500程度を目指してみてはいかがでしょうか。
もちろん、そんなのは無理という人は、まず1,600万円を目指しましょう。

1,600万円すら無理という人は、引退する年齢を上げるという手もあります。
例えば、70歳まで現役だったら、老後と呼ばれる期間は5年短くなります。

当然ですが、その分だけ貯蓄が少なくても大丈夫です。

確定拠出年金の利用を

さて、最後の、老後の資金を貯める良い方法を紹介しましょう。
それは、確定拠出年金を利用することです。

確定拠出年金というのは、簡単に言うと、投資信託の積立です。
毎月数万円単位で、投資信託を積立てていきます。

でも、通常の投資信託の積立と大きく違う点があります。
それは、投資額が控除の対象になるということです。

例えば、毎月5万円投資すれば、年間の投資額は60万円になります。
60万円は控除の対象になりますから、少なめに見積もっても6万円は所得税が浮かせます。

もちろん、日本は累進課税なので、所得が多い人は減税効果もさらに大きくなります。
さらに、住民税も安くなることも見逃せないポイントでしょう。

ちなみに、確定拠出年金の利用を考えている人は、SBI証券の利用をおすすめします。
これは、通常の口座ではだめで、確定拠出年金専用の口座が必要です。

SBI証券 確定拠出年金積立プラン(個人型401K)

なぜSBI が良いかというと、手数料が安いからです。

投資を考えるときには、ちょっとした手数料が大きく効いてきます。
特に、投資額が小さい人の場合は、かなりの影響を及ぼすでしょう。

確定拠出年金で購入できる投資信託は、どこも似たり寄ったりです。
ですから、手数料にはこだわって欲しいと思います。

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